吟遊詞人7周年記念小説「ジョングルールの七不思議」
第7話 sha la la.../Written By 深駆私は目が眩むような思いだった。頭に思い浮かんだのは、ただ一言……すごい…。
私は疾風の元へ駆け寄る。いったい、何があるんだろう?
「これ…みたいだね」
疾風は金庫の中から何かを取り出す。そして、私の前に掲げてくれる。
「えっ、これ……スゴイ!!」
私の目の前に掲げられたものは、1つのペンダントだった。シンプルな銀色、そして下には7つの小さな赤い宝石が花の形を成して、さりげなく輝いている。私はうっとりとしてしまった。きっとカジノで7が3つ揃った時も、こういう表情になるのだろう。
「カーバンクルかな」
「カーバンクル?」
「角が丸く削られているルビーの事。…どうせイミテーションだろうけど」
私は疾風に、ペンダントを首からかけさせてもらう。なんだか、少し大人になったみたい…。目の前でちょっぴり笑ってくれる疾風の存在が、私をますます大人にさせてくれる。
「まあ…何もないよりはマシか」
疾風の言葉は、きっと口だけ…。疾風だってうれしいに違いない。だって、こんなに笑顔の私が傍にいるんだもの。嬉しいに決まってるよね。
「うん、疾風…」
「何?」
「ありがとう」
私のペンダントが、疾風の胸のあたりにあたる。そしてちょっぴり、沈黙。
「さ、帰ろうか」
「うん!!……あれ?」
そこで私は気がついた。金庫の中に、まだ何かが残っている。
「疾風、金庫の中…紙が入ってない?」
「え?…あ、本当だ」
疾風は紙を取り出す。そこにはこう書かれていた。
「見事だった。この扉を開けた者が、7をリユニオンしたもの、それを継いでいくのだ。
目映い紅玉の起こす7つの風 蟹とライオンが見守る7つの月 賢人の歩むマナの地は7つの星
同名の聡明な二人は7つの夢 光る北斗七星が照らす7つの愛 孤城落日の七色図式は7つの時
荘厳で温和な煙草は7つの闇
『7』より」