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恋の俳句

俳句マガジン「いつき組」第90号(2005年4月発行)にて、別冊付録として「恋の俳句集」が製作されました。
これは事前に読者から、「恋の俳句」をテーマに1人最大10句募集し、その中から作家のねじめ正一氏が60句を選出したもの。
マフラーの句以来、恋の(妄想)句と言えば、と言われているらしい冴戒にとっては、これは是非挑まねばということで、10句出しました。
結果「恋の俳句集」には1句選ばれたのですが、折角なので此処では10句全部ご紹介します。
・春の宵あとはメールで話そうね
・蒲公英の茎のにほいを残す指
・プロポーズの言葉忘れて春の雨
・春寒は恋より夢をとったから
・冴返ることは人にもありますか
・二丁目はあの子が住むの猫の恋
・朧月恋愛映画ばかり借り
・春の雷アイツもキミを好きなんだ
・待ち人の來たらず遍路の数かぞふ
・返信がたつた六文字春の宵

10句別個の作品として扱われるわけですが、僕としてはこの10句は連作のつもりで作った感もあります。
最初と最後が「春の宵」ですしねぇ。
で、選出されたのは最後の「返信が〜」の句。これと最初の「あとはメールで〜」の句は、ケータイのメールを介しての「今時の恋の句」というつもりです。
また、「いつき組」本誌でいつきサンが1人1句選出していて、そこでは5つ目「冴返ることは〜」が選ばれています。
「冴返る」はとても綺麗で好きな季語ですが、綺麗過ぎてなかなか使えずに居たものでした。で、今回挑戦してみた、と。
全部春の句なのは、確か当初「春の恋の句」として募集がかかっていたと思うからです。結局春に限らなかったんですけれど。
個人的なお気に入りは「二丁目は〜」の句。「春の恋の句」と言えば、俳句をたしなむ人がぱっと思いつく季語は恐らく「猫の恋」。
僕の「猫の恋」の句の中で一番の出来だと勝手に自画自賛している句だったりします(笑)。
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