inserted by FC2 system

虚構の風


昨夜 夢に出て来た お姫様は笑ってた
歪み切った地面で 何も知らずに戯れ

追憶の海を 漂う鴎を
数え挙げる度 温い水が溢れ出した

貴方以外の何も視えない
この瞳(め)はきっと 壊れていたの
今となっては 痴がましくて
嗤って仕舞える程

薄い扉の向こう 無邪気に笑った子供
未だ癒え切らない傷 何も聞かずに舐めてる

最期の晩餐 零した柘榴は
匂い放つけど 貴方をくれやしないのね

何が倖福せかなど知らない
この肌に今 爪を立てるの
貴方がくれた 凡てのモノを
バラ撒いて 雫 降らそう

月に叢雲 風は追い風
この肌に今 紅(あか)を附けるの
貴方が置いた 過去の財産
マヨネーズ和(つ)けて 喰べよう

貴方以外の何も捕(み)えない
この瞳(め)はきっと 狂ってたんだ
「有難う。」なんて 云いやしないわ
認めることになるから

未だ嘘を附いていたい...
もどる

inserted by FC2 system