inserted by FC2 system

まだ友達でいいの


午前2時 突然のベル
屈託のなさげな笑顔
「こんな遅くにどうしたの?」

君はキー 私に見せて
「ドライブに行こう」と言った
「丁度明日は休みでしょ」

眠そうな私のことを
カンペキに無視してるけど
そういう君のこと 悪くは思わない

けど まだ 友達でいいの
この距離がいいの
カッコよくはないけれど
夜風が吹き荒ぶ街を
駆けてゆくなんて
なんかムード 気持ちいい

いつだって こんな感じで
強引に誘い出すよね
「今度はどこに行くつもり?」

君はただ 前向いたまま
「あてなんてないよ」と言った
「思いつくまま ぶらぶらと」

「ならなんでこんなに早く…?」
聞こうかと思ったけれど
テープで流れ出すサザンが遮った

やっぱり 友達でいいの
この距離がいいの
贅沢などいらないよ
できればもう少し助手席(ここ)で
寝ていたいけれど
君をとても見たかった

午前5時 白み始めた
海岸に辿り着いたね
ホントに恋人と二人でいるみたい

友達でいいの
この距離がいいの
ドラマみたいじゃないけど
海から吹き抜ける風が
気持ちいい やけに
君と二人微笑んだ

小さな声で呟いた
「アリガト。」はきっと
君の耳に届かない
もどる

inserted by FC2 system