inserted by FC2 system

かぜのうた

あとがき 〜黒幕の陣風〜

いやぁ、久しぶりにやると本当に疲れるし、それより何より恥ずかしい。まず、拙作を読んでいただいた皆様に心から感謝します。
文章内の細かいネタに関しては「参考 〜蛇足の作風〜」に譲るとして、ここではおおまかなお話をしましょう。まず、昔からの読者の皆様(いるのか?)は「龍牙が推理しない」ことに驚かれたかも…。今までずっと推理は龍牙しかしませんでしたからねぇ。でも、これは最初からこうするつもりでした。
時間観念はどんどんずれています。去年やっていた「短編シリーズ」のとき、龍牙と隆臣は33歳くらいだったはずなのに、このシリーズの設定ではもう40歳が近い(苦笑)。それなのに曜日は2007年のものだし…。あ、そうだ。かなり適当に数えたので、実際の2007年とこの小説の中で「月の満ち欠け」の描写が違っている可能性があります。違ってたらごめんなさい。
本当は雅お姉ちゃんが疾風くんに「私とみひろちゃん、どっちが好き?」なんて言うシーンもあったはずだけど、自分の予定より時計塔のシーンが早く来たので(深駆の小説の書き方は計画性ゼロ)、成り行きでカットしました。まぁ、あれ以上推理に関係のないシーンを入れるとだらけちゃいますよね。そういう失敗は今までに何度もやっているから、今回そこにだけは注意して書いたはずですが…今回も失敗?いや、本人の中ではけっこう成功したほうなの。…これでも。
トリックおよびロジックの穴には目をつぶってください。これは心からお願いします(コラ)。そういうところには素人でして…。あ、でも一度出てきた推論を覆すのは深駆にとって初の試み。今までの龍牙は、かのエラリィ・クイーンさえ成し遂げていない「一発での推理の成功」をことごとくやっておりました。「やっぱり、それはマズイだろう」ということで、今回はこれも狙っていました。まだまだ狙う的が大きい(苦笑)。
あ、途中に色々観念的なものが入っていますけど、大半は深駆がよく思っていることです。こんなの普段から考えているから、今現在の深駆は教育学科(教育の歴史と「哲学」を勉強する学科)にいるわけで…。
かなりくどい書き方をしたからお気づきだとは思いますけど、テーマは「風」。章のタイトルは全部「○○の○風」だし(凪風と陣風以外はすべて辞書に載っています。凪風はFinal Fantasy12から、陣風はFinal Fantasy10から借りてきた言葉)、各章にかならず「風読」や「風花」、「かぜのうた」以外の風に関する描写や比喩が入っているの。かなり風には気を使いました。
あ、それから同時公開されている「新年のご挨拶」が「かぜのうた」から始まっているのには驚きませんでした?これは、先に深駆がご挨拶用の詩として「かぜのうた」を書いていて、それを無理やり小説内に組み込んだからこんなになったの。だから最後の詩の解釈もけっこう強引だし、深駆が最初に書いていた「かぜのうた」もこの小説に合うように少し書き直しました。
人々の名前には深駆が好きな漢字や言葉を入れています。深駆は植物の名前が好き。合歓や萌葱はここから。漢字はともかく彩芽(菖蒲)もそう。好きな漢字として使ったのは鎖・梓・鏡・月。
とにかく、出来の悪さにはただただ気恥ずかしい思いしかないですけど…。一応これでも、少なくとも自分の中では納得の行く作品になったと思っています。本当に読んでいただいてありがとうございました。


最初に戻る第21章に戻る参考を読む

inserted by FC2 system