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とわのうた

あとがき


皆様、まずは深駆の新作「とわのうた」を読んでいただいて、どうもありがとうございます♪

まずご注意。以下の後書きには、「とわのうた」のトリックを匂わせる発言が多数出てきます。皆様、是非本編をお読みいただいてから、こちらはお読みください。お願いします。

今回の新作はかなり書きやすかった。やっぱりトリックがしっかりしていると書きやすいなぁ、と改めて実感した一作であります。…えっと、これを思いついたのは北山猛邦氏の「『クロック城』殺人事件」を読んでいる最中でした。氏が物理トリックを主体に書くという事を知らずに読み出し、最初の氏のSF的な設定に感化されて「も、もしかしてこんな大胆なトリックが仕掛けられているのでは!?」と深駆が妄想したトリックこそ、「とわのうた」の根幹を成すトリックであります…(苦笑)。探偵としての腕が上がらない読み手だ(苦笑)。ちなみに似たトリックがもっと精巧に仕掛けられた作品もありますので…(誰の何とは言いませんけど)。あ、それから本当の「『クロック城』殺人事件」には、それはもうすごい物理トリックが使われていますよ。ぜひぜひご一読ください。だから雰囲気も、比較的「『クロック城』殺人事件」の雰囲気と似ているかもしれません。塔の周りが森だったり、塔が3つに分かれていたり、登場人物もなんだか影響を受けていたり…ですね。さすがにゲシュタルトとかスキップマンとか言い出す気はないですが(笑)。…あれ、解決法を幽霊(スキップマン)に持っていけそうなのはどうして(苦笑)?
…ただ、これを基幹とした事件を起こそうと思うと、そりゃもう現実世界では絶対不可能でありまして(笑)。そこでこんな突拍子も無い設定をかましたわけですね。この部分で参考にしたのは名探偵コナンの映画「ベイカー街の亡霊」です。ポッドに閉じ込められた人を助けようとすると電流が流れる、なんてシーンはほぼ同じかも(苦笑)。でも深駆としてはそこまでスリリングにする気は無かったの。初期設定では「24時間以内に不条理の正体を見破れなかったら美寛たちが死んでしまう」という設定があったけど外しました。そういうのを求めてはいないので…。
でも実際、深駆もこのP塔とF塔の設定には困惑させられました(爆)。最初、美寛ちゃんが「疾風、だ〜い好きっ!!!」って叫ぶシーン、F塔の実験室じゃなくてP塔の礼拝堂になっていたのよ…。危ないところでした。キャラクターの名前などの設定はかなり適当かも。デュランのファーストネームのエトワールはフランス語で「星」ね。本当は何箇所かフランス語をそのまま残していたけど、そういえば“永遠の世界”では言語が全て和訳されるのでした(苦笑)。あ、斑太時博士の名前はFantasyから来ています。韓国には「科学神童」なる呼称があって、この前、小学生で大学に入った男の子が「科学神童一号」に認定されましたよね。斑博士はあのイメージです。それから…日本人って、中国や韓国の人の名前を漢字そのままの読みで言う事が多いですよね。毛沢東は「もうたくとう」と呼び、「マオツィトン」とは呼ばない、みたいな。でも外国の方は必ず後者で読むんですって。…何が言いたいかというと、本来はデュランも後者の読み方で斑博士を呼ばないといけないのに、変換されていない。これは…ここまで見越してコンピュータが変換してくれた、という事にさせてください(苦笑)。韓国語は無理…。
ゲームネタ・推理小説ネタの解説。…まず「Ignorant Users, Obey the FRESH BLOOD」っていうのは…キングダムハーツ2っていうRPGのホロウバスティオン(レイディアントガーデン)で、コンピュータシステムがMCP(Main Computer Program)に乗っ取られたときの言い回しをそのまま使っています(笑)。現実に関して美寛の頭の中に思い浮かぶ言葉は、これも森博嗣の「すべてがFになる」からの引用。それから渡り廊下の絵は、深駆はクロノ・トリガーの時間移動のシーンをモチーフにしているの。二階堂黎人のメタ小説というのは「増加博士と目減卿」に収録されている「雷鳴の轟く塔の秘密」です。それからチェスのところで美寛が言うのは…マイクロフト・ホームズはシャーロック・ホームズの兄ですね。秋や座木は高里椎奈の薬屋探偵妖綺談シリーズの登場人物。僧正殺人事件はS・S・ヴァン・ダインの名作です。あと、「現実」に関して疾風が例え話をしますけど、あれはFinal Fantasy Tactics Advanceのシナリオから来ています。今回はあまりゲームネタや推理小説ネタは入れていないつもり…だったんだけど…(苦笑)。
あ、今回の作品は完全にトリックのために書いたものです。動機や“永遠”については深くツッコミを入れないで下さい(苦笑)。深駆の中でも大分、“永遠”を捉えきれないまま書いてしまったので…。本当は色々考えていたの。“永遠”の考え方を巡って博士と疾風が口論になるとか、考えていたんだけど…。う〜ん、深駆の詰めが甘いよね。このあたりは皆様のお好きに考えてください(投げやり)。あ、あと美寛ちゃんが「疾風は永遠に生き続けたいって思う?」って聞いて、疾風が「美寛と一緒ならね」とか言うシーンを最後につけようかと思ったけど、さすがにやめた(苦笑)。今回は「疾風、だ〜い好きっ!!!」がトリックの重要な布石かつノロケの山場的なシーンだし…。
何はともあれ皆様、「シンクの夢」が創り出した「とわのうた」をお楽しみいただけたでしょうか?皆様がこれからも、溢れる夢の中で生きていけますように♪

Dreamily Yours 深駆

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