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ほしのうた

更に無意味な後書き

さて、皆様、「ゆめのうた」をお楽しみいただけたでしょうか?まずは、読んでいただいた皆様に深く感謝です。どうもありがとうございます♪

※あ、申し訳ありませんが、以下「ゆめのうた」の設定やネタバレが平然と書かれています。どうもこれは、深駆自身が絶対に、後書き及び解説を最後に読む人間だからですね…。その余波というかクセ、なんです。というわけで以下の文章は「ゆめのうた」をお読みになってから読んでください。よろしくお願いします。それから通例として、作者名敬称略深謝。また、以下RPGのFinal Fantasy シリーズのことは、基本的にFFと略記させていただきます。

さて、今回の小説における書き方自体の特徴は、「三人称による語り口」。あ〜、でももちろんそれは物語の中でこそ客観的ですけど、現実には深駆の主観ですからね…(苦笑)。メディアの捉え方とか。そしてちょっぴりメタ的。あ〜、でもこれは狙ったわけではなく、それ以外の方法で処理できなかっただけです(苦笑)。
う〜ん…ついでに言うとこの作品、深駆の中ではミステリーには属さないの。だって暗号ばっかりだし…(苦笑)。やっぱり、深駆の思う「ミステリー」は、どちらかというと物理的なトリックが主体であって欲しいわけ。それか、完成度の高いロジック。法月綸太郎の「死刑囚パズル」とか有栖川有栖の「スイス時計の謎」とか、ですね。ひとまとめにするとマンガ的、とも言えるかもしれない。…まあ、これは外伝と言うか中継ぎと言うか、深駆の中ではそんな位置づけです。ちゃんと「本編」的な作品は書いていますからね。…あまりに長くなりそうだから、他の作品で時間稼ぎしてるの…って、そんなこと言っていいのか(苦笑)?
主要トリックを思いついたのも、暗号を思いついたのも、両方「吟遊詞人7周年記念合作」の最中でした。この合作の中で、「今まで何かのRPG(主にFF)で使われていた暗号を改良する」という方法を思いつき、今回は過剰に実行した…というわけです。え〜、本文中にもありますとおり、2階と地下1階の暗号は解かせる気がありません(苦笑)。だってね、ここまで深駆と同じ発想ができて、深駆と同じ推理小説を同じ程度に読み込んでいらっしゃる方、また同じゲームを同じ程度にやりこんでいらっしゃる方、きっといないですよ(笑)。でもまあ、何個かは分からなくてもいけるんですけどね。ああ、淡い期待(苦笑)。一方、主要トリックは思いついたとき感動しました。もともと何がきっかけで思いついたかって言うと、冴戒さんが速水さんに、「合作のまとめ部分は夢オチ禁止」といったこと。これを逆手に取る、というのを思いついて自分でもビックリ。まあ、探せばどこかで使われてはいるでしょう。
で、主要でないトリックについては授業中などに(コラ)1つずつ考えていきました。(株)ニコリから発売されている「パズルノベル16の謎」という本で、ライトな推理小説とパズルが融合しているものがあるのです。これを見て「ああ、そういえば深駆って、推理小説にパズルをそのまま持ち込んだことはないなぁ」と。そこで今回、2問も使うことにしました。一応深駆はパズル作家なんだから、これくらいはしなくちゃね。ん〜、残りの暗号は下のほうで詳しく解説します。
で、主要トリックが明かされるのが「無意味なエピローグ」。この小説、この10行ほどの文章がもたらす意外性のためだけに書かれていますからね(笑)。皆様、驚いていただけました?…じゃあ美寛と疾風が見た夢は…なんて野暮なことは、聞かないで下さいね。それは、皆様の「夢」にお任せします。
最後になりましたが皆様、「シンクの夢」をお楽しみいただけましたか?もし叶うなら、皆さんが今晩見られる夢が、誰かと同じ夢でありますように。そして、その夢がハッピーエンドを迎えられますように…。

Dreamily Yours  深駆


さあ、それではいつもの解説。

プロローグ…えっと、過去に全消去した(コラ)深駆の小説を読んだことのある方ならご存知だと思いますが、隆臣の妻(つまり雅・美寛の母)は由奈絵というの。旧姓は「矢奈」。現在の美寛・疾風ほどではないにしても、隆臣とともに初期段階の小説でラブコメシーン(?)を担当してくれた二人です。それから、実は岸野さんのインタビュー、かなり伏線が入っていたのよ。まず、彼女の格好…誰かに似ていると思いません?あのね、この格好、FF9のヒロイン、ガーネットとほぼ同じなの。そしてインタビュー中に「綺麗なルビーですねぇ」って言われて彼女が当惑するでしょ?実は、この赤い宝石はガーネットなの。それを雨宮さんが「こっちの方が似合う」って言って選んだのは、彼が麗夢のことをガーネットに似ていると思っていたわけで…つまり、雨宮さんはかなりゲームに通暁している、っていう事の、ものっすごく遠まわしな暗示(笑)。それから「フルートが吹ける女の子が好き、って聞いて、ますます…」っていうくだりも伏線。美寛が直後に「ユウちゃん」っていうでしょ?あれは、霧舎巧の「開かずの扉」シリーズに登場する、鳴海雄一郎から来ているの。彼、フルートが吹ける女の子が好きなので。そして岸野さんはそこで「ますます」って言ってるでしょ?…深駆の中では、ただでさえ雨宮さんは鳴海雄一郎に似た雰囲気の人なのに、彼のもう1つの特徴である「フルートが吹ける女の子が好き」って言うのを聞いて、ますます彼のことを好きになったという解釈…つまり、これは岸野さんが推理小説をよく読んでいる、っていう事の、ものっすごく遠まわしな暗示(笑)。それから、二人はお互いのことを「(本名の)下の名前」で呼び合っているのですよ。ごめんなさいね、回りくどくて。だって、あんまりストレートに書くと主要トリックが分かるじゃない(苦笑)。…ああ、そうだ。赤い糸の話は深駆が勝手に創作したものです。都市伝説などでは一切ありません。だから、これを実際に試したけど夢で会えなかった、とか苦情は言わないで下さい(笑)。それから「イクシロの実」はFF12のアイテム。大砂海オグル・エンサで入手できるアイテムで、ガルーダというモンスターに対してのみ「アグレッサー(攻撃のペースが極端に上がる)の解除・攻撃力10ダウン・防御力10ダウン」の効果を与えます。ある特定の相手に対してのみ、絶大な効果を発揮するものという意味で。
第1幕…首吊塔というのは、霧舎巧の「マリオネット園」の舞台。それから指輪のくだりですけど…確かに「つきのうた」で、ホワイトデーに疾風は美寛に指輪をプレゼントしますけど、だからってこの二人が…ね?それから爆弾の話を聞いたときの驚きの声が、プロローグの美寛のものと全く同じになっていますが、これは一種のミスリードです。細かいけど(苦笑)。…美寛の暗号のベースは、マンガ「金田一少年の事件簿」の、「速水玲香誘拐殺人事件」のなぞなぞ。それを少し、改変させていただきました。「りら荘事件」は、「黒いトランク」と双璧をなす鮎川哲也の傑作です。バブイルの塔はFF4のダンジョンで、地上部と地底部から構成されている塔。神羅ビルはFF7のダンジョン、G(ガルバディア)ガーデンはFF8のダンジョン。どちらも先に進むためにカードキーが必要になります。あ、イニシャルMYは当然ミスリード。第3幕のイニシャルHTも同じですね。それから、疾風への暗号はFF12の「ネブラ河の釣り」イベントの暗号とほぼ同じです。ゲームでは「アロコホネザキガン」で、モスフォーラ山地にある「凪風の祠」を指しています。
第2幕…疾風の暗号にあるゲームはドラゴンクエスト7です。ヘルバオムはルーメンという町のボス。キラープラスターは、エンディング後に訪れることのできる、いわゆる「その後のダンジョン」に登場する敵。ガマデウスはコスタールの東にあるホビット族の洞窟のボスです。
第3幕…さて、あの2つの暗号を解説する時間がやってきました(笑)。非常に長く複雑なので、興味のある方だけお読みくださいね。まずは美寛の暗号。こっちのほうが少しは簡単、かな?「すべてをAにせよ」の「A」とは、何てことはない、ただの「英語」の暗示。さ、というわけでリストにあった4冊の本を英語にしましょう。エラリィ・クイーンの「神の灯」は「The Lump of God」。アガサ・クリスティの「魔術の殺人」は「They Do It with Mirrors」。森博嗣の「幻惑の死と使途」の副題は「Illusion Acts Like Magic」。そしてJ・D・カーの「火刑法廷」は「The Burning Court」です。…もう分かりましたよね?英語のタイトルの中に入っているものを台座に載せればいいのです。ランプとミラーはすぐに分かりますよね。それから字を見れば、意味は違うけどマジックとコートがあることも分かるでしょう。だから美寛は、あの4つの品々を台座の上に載せた、というわけなのです。我ながら人を食ったような暗号だ…(苦笑)。さあ、一方の疾風の暗号。この小説一番の強烈なゲーム解説を始めましょう。暗号のポイントは「部屋が円形であること」「ほぼ等間隔に物が置かれていること」です。そして右隣に進んで一周するって事は、円形に台座が設置されているって事ですね。…分かりました?地下1階は、ゲームのネタで作られた大きな「時計」なんです。頭に羊のはやしているような角がついた甲冑とは、FF12のジャッジの暗示。その右隣(疾風は6から反時計回りに進んでいたので、更に事がややこしくなっていました)の竜のおもちゃと王冠は、初代ドラゴンクエストの「りゅうおう」の暗示。つまり1ですね。右隣に行って、牛はバイソン、琴は琴座の主星ベガのこと。分かりますよね?これらのキャラクターを「初めて」操作できる、STREET FIGHTER II TURBOのことです。右隣に行って、リンゴと鉛筆とトイレットペーパーに共通するのは「しん」です。…ここから思考は、FF10の「シン」に飛んで欲しい。あ、そうそう、「究極の幻想」を英語で言うとFinal Fantasyですからね?右隣に行って、ここにおいてあるお菓子はスーパーマリオワールド(いわゆるマリオ4)のステージ名。ドーナツ平野、チョコレー島、バニラドームとバニラ台地、せんべい山、それからラムネ海溝(沈没船があるところ)です。右隣に行って、これはロックマン5のボスですよ。ストーンマン、チャージマン(機関車のボス)、ウェーブマン、スターマン、グラビティマン(あれは重力の絵なのよ〜)、ジャイロマン、クリスタルマン、そしてナパームマンの暗示なのでした。右隣に行って、これはFF6のオペラ劇場で、セリスが舞台に出演した時の第2幕の出だしのセリフなの。つまり深駆の中では、これは台本。右隣に行って、金庫、失われた数字とくればFF7のロストナンバー。そしてこいつのHPは7777なの。つまり「数字を4つに切れ」っていうのは(4つの)7を指しています。右隣に行って、この暗号は「『何でも吸い込む』星のカービィ」ですよ。古いな(苦笑)。カービィにこの文章から「何でも」吸い込んでもらう…つまり「な」「ん」「で」「も」の字を吸い込んでもらうと「ここははちだ→ここは8だ」が残ります。ヒドイ?…右隣に行って、これはKingdom Hearts IIのXIII機関のナンバー9、デミックスを指します。彼の武器は水色のギター(正確にはシタールという弦楽器)。「夜想のしらべ」は彼の墓碑銘。右隣に行って、これは聖剣伝説3のクラスチェンジ後のジョブを、他のゲームの言葉で説明しているの。FF Tacticsイズルードのジョブはナイトブレードで、つまりこれはホークアイのジョブの1つ。キャリーアーマーの戦利品はゴッドハンドで、これがケヴィンのジョブの1つ。FF6でハウリングムーンといえば魔石フェンリルの事で、つまりこれはリースのジョブ、フェンリルナイトの暗示。ほかにもFF4のメーガス3姉妹(メイガス、アンジェラのジョブ)とか、FF5 Advanceのデュエリスト(デュランのジョブ)とか、FF6のネクロマンサー(シャルロットのジョブ)とかも置きたかったけど、あそこではあれに留めておきました。右隣に行って、ここで記事になっているテレビゲームはサッカーゲームだったのです。確かウイニングイレブンだったと思うけど、自信はない。少なくともサッカーゲームだって事は正しいはずなので…つまり11ですな。これで一周、おつかれさま。で…ラグナロクの意味は「神々の黄昏」なんだけど、聖剣伝説3の攻略本に「秩序の破壊」という意味もある…と書かれていたの(信憑性は低いけど)。今回はこれを利用。つまり…「この部屋のオブジェたちが表す、時計としての秩序が今は破壊されている。それを修復せよ」っていうことです。だから…この長ったらしい説明で分かりましたよね?3と10だけ、逆になっていたんですよ。だから疾風はあれを動かした…という事だったのです。この説明をきちんと読んでくれた奇特な方に、心から感謝します。
それ以外の部分の話をしますと、まず「FじゃなくてA?」というのは当然、森博嗣の「すべてがFになる」を受けています。後動悟と森咲恵のシーンって言うのは、霧舎巧の「マリオネット園」のワンシーン。スコールとリノアのシーンって言うのも、DISC3後半にある有名なシーンですね。あと…疾風はカワイイ服が好きだの、美寛は絵が下手だの、美寛は文系で疾風は理系だのという話は、全部ミスリードです。筆記具を調べている時に、(雪川)美寛の口癖である「ちょっぴり」と言うのもミスリード。細かいなぁ(苦笑)。
第5幕…「夢と言う世界も現実にあって…」という話は聖剣伝説Legend of MANAに登場する夢魔少女ベルのセリフから。これは「フローライト」というイベント中の彼女のセリフですね。もっとも彼女自身が「説明がめんどくさいから」といって夢の吸引力などの話をはしょってしまうので、よく分からないのですが(苦笑)。彼女いわく結論は「楽しい夢を見ましょう!」らしい。それができれば苦労はないってば…。もちろんここでも、「美寛好みだけど、心臓に悪い」とか「最後のほうはずっと美寛と2人きりだった」とか、全部ミスリードです。


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