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Brotherhood


File7 〜Truths of the Brothers〜
「アハハハ、オレとつかさが付き合ってるかもしれねぇって、オメーわざわざここに探り入れたってワケか?」
「そっ…そんなに笑わなくてもいいじゃないっスか…(* ̄_ ̄;*)」知之は顔を赤らめながら、おごってもらったジュースに口をつけた。
「そもそもオメー早合点し過ぎだぜ?オレがゆうべ電話で話してたのは羊谷だ。羊谷のオヤジさんが叉解けねぇ事件があるからって言うからよ、そういう点じゃ"麻倉とかよりオレの方がいい"に決まってんだろ?」
「そういうことだよ、麻倉君」羊谷刑事も少し笑って言う。「ついさっき解き明かしてくれたがね」
「スゴいおっちょこちょいだね、知之クンも…」成り行きで知之と一緒におごってもらってるつかさも微笑んで言う。「確かにあたし、祥一郎クンみたいなタイプいいなとは言ったけどさ」
「うぅっ…」ぐうの音も出ない知之。
「それにしても、窓から祥一郎クン覗いてた姿すっごく怪しかったよ」とつかさ。「たまたまバイト帰りのあたしが通りかかって止めなきゃ捕まってたかもよ?」
「ま、別にオレはプライバシーの侵害とかで訴える気もさらさらねぇけどな」
「そう言えばさ、知之クンってどこで祥一郎クンの電話聞いたの?」
「え…」その瞬間、知之と祥一郎の声が綺麗なハーモニーを作って重なった。そう、この二人が兄弟であることが内緒である以上、この二人が共に暮らしていることなどつかさが知る由もないのであった。
「あっっ、たまたまゆうべ、つかささんと別れてから携帯で話してる篁君を見たんっスよっ…」焦りながらも否定する知之。「街中なのに結構大きな声だったから気づいて…」
「ふーん…てっきりあたし、二人が一つ屋根の下で暮らしてんのかと思っちゃった」
「そっ、そんなことあるわけねぇだろ…」今度は祥一郎が否定する。「な、何の因果でオレがこんなのと一緒に暮らさなきゃいけねぇんだよ」
「そ、そんな言い方ないじゃないっスか!!」
「あんだぁ?折角オレがフォローしてやってんのに」
…この後二人の間に兄弟喧嘩が勃発したのは言うまでも無い。
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