inserted by FC2 system

守るべきもの


第5話 〜虚偽のアリバイ、無関係な被害者〜

次の日の朝、広島県警は氷上島の島民約3000人に対し、聞き込みをはじめた。
黛の事情聴取には篁と矢吹がついて行き、麻倉や羊谷はその他の刑事にくっついていた。
葛城の家では、黛による長めの事情聴取が行われた。やはり警察は葛城を疑っているらしい、と篁も矢吹も勘付いた。恐らく葛城や鼎、そして深穂も気づいているだろう。
黛はその次に、氷上島村役場に向かった。村長の箭内に聞き込みをするためである。
村長秘書の久世 里律子に案内され、3人は村長室に通された。
「おや、君たちは…」箭内は黛の隣にいる篁と矢吹に気づいた。
「あ、前に一度会ってましたね、村長さん」篁が言う。
「彼らには捜査に協力してもらってるんです。幾つか殺人事件を解決したことがあるということなので」黛が説明する。
「そうですか…」
「それでは早速始めさせてもらいますね」黛は胸ポケットから警察手帳と万年筆を取り出した。「箭内さん、あなたは一昨日の夜10時ごろ、どこにいましたか?」
「夜10時ごろですか…確かこの村役場に里律子さんと2人でいた筈ですよ」
「そうなんですか?里律子さん」矢吹が訊く。
「え、ええ…あの日は確か7時ごろに私がここに戻ってきてから、村長と二人で食事を摂って、その後私も村長も同じ部屋でデスクワークをしてました…。ちょっと途中で眠たくなってうとうとしてしまってたんですけど、村長に起こしてもらった時は9時50分頃でした。それから12時ごろに寝るまで村長はずっとここにいました」
「そうですか…」
「あ…」里律子が右手につけた腕時計を見て言った。「そろそろ出ないと、台(うてな)島村長との会談に間に合わなくなると思いますが…」
「おお、そろそろか…」箭内も自分の腕時計を見て立ち上がって言う。「それではそろそろ次の仕事がありますので…」
「あ、ちょっと…」
「刑事さん…」里律子が言う。「もしも、村長を疑っているのなら、それは間違いですよ」
「え…?」
黛らが返事を言う前に、2人はドアから出て行ってしまった。

広島県警の優秀な人材の活躍により、聞き込みは正午過ぎに終わってしまった。
「しっかりしたアリバイを持っている者、家族の証言しかない者、島の外に行っていた者、黙秘した者などバラバラで、結局犯人を絞り込むことは出来なかったそうだ」黛が今城荘で昼食を摂っている篁たちに言った。
「まぁそういう風にはなるとは思ってたけどな」と篁。「3000人も居るんだ、そう簡単には絞り込めないだろうな」
「動機の面では絞り込めたさ?」
「それも難しいな…」黛が言う。「例の葛城 舜や村長の箭内 宗之らをはじめ、やはり住民の多くが幣原の事業に反対だったからな」
「とりあえず、幣原さんの奥さんの千種サンと、葛城サン、箭内村長について改めて調べてみたらどうや?」と矢吹。
「ま、それしかねぇしな」篁が箸を置いて言った。

食事を終え、篁、矢吹、羊谷の3人はまた黛らの捜査について行った。
今城荘に残ったメンバーは、手分けして食事の後片付けをしながら話をしていた。
「そう言えばさ」と珠代。「買ってきたジュースもう失くなってたわよね」
「ああ、そう言えば…」悠樹が言う。
「じゃあまた僕が買いに行くよ」拓巳が濡れた手を拭きながら言う。
「僕もついて行くっス」と麻倉。
「じゃあ僕も行きますよ。母さんたちはお話でもしててください」悠樹が言う。
「そう?じゃあ頼もうかな」そういうと鈴香は、自分の財布から千円札を取り出した。
「あら、お金ならあたしが出すのに…」と珠代。
「いいのよ、拓巳さんにパシリばっかやってもらってだしさ」鈴香は千円札を拓巳に渡した。
「それじゃ行ってくるっス!」3人は外へ出て行った。

景色を見ながら歩いていこうと、3人はわざと遠回りをして葛城の店へ行くことにした。
「こっちの道って、どんなトコがあるっスか?」
「そうですね…僕たちの通っている分校とか、診療所とか…」
「診療所って、悠樹君のお父さんのやってるトコっスか?」
「ええ…まぁ」
「悠樹くんのお父さんってお医者さんだったんだ」と拓巳。「知らなかったよ」
「あ、これが僕たちの通う伊波(いなみ)小中学校氷上分校です」拓巳の言葉に無視をするように悠樹が言った。
「えっ、小学校と中学校が一緒なんっスか?」
「小学生と中学生を合わせても200人程度ですからね…」
「へぇ…」
「なんだったら少し見て行きますか?別に入るだけなら自由なんで」
「そうなんっスか?じゃあ行ってみるっス!」
「あ、じゃあ僕はこの校門で待ってるよ。2人で行っておいで」と拓巳が言ったので、麻倉と悠樹は学校に入っていった。

一方、篁たちと黛は幣原 千種と犬塚 茂彦に話を聞いていた。
「本当にあの日の夜のことは思い出せないんですか?」
「そう言ったはずですけど?」千種は特に悪びれた様子もなく言う。
「犬塚さんも千種さんが何をしていたかは知らないんですね」
「あ、当たり前でしょう…私は広島に行ってたんですから…」相変わらず厚手のスーツを着た犬塚が、やはりハンカチで汗を拭いながら言う。
埒(らち)があかねぇな…篁が心の中でそう呟いた時、同行していた新発田の携帯電話が鳴った。
「あ、ちょっと失礼…」新発田は廊下に出て電話に出た。暫く誰かと会話をした後、部屋に戻ってきて黛に何かを耳打ちした。
「な、何?!それは本当か?!」
「はい、そうらしいです…」
「何やったんですか?」矢吹が訊く。
「実はな…」黛は千種や犬塚にも聞こえるほどの声で言った。「犬塚さんのアリバイは真っ赤な嘘だったということが分かったんですよ」
「えっ…?!」一堂は驚きの表情を見せた。取り分け、犬塚本人の動揺は大きかった。
「先程広島県警の方から電話を貰うたんですけど、広島支社の人たちに話を聞いたところ犬塚ハンが来たという事実は一切ないとのことでした」新発田が言う。
「どういうことさ?犬塚さん…」と羊谷。「わざわざ嘘の証言をするなんて」
「う…」犬塚は言葉を失う。二、三度千種のほうを見たようにも思えた。
「あなたは一昨日の夜、どこにいたんですか?」改めて、篁が訊ねた。
「じ、実は…」犬塚は額の汗を拭って言った。「私あの夜、幣原さんの別荘にいたんです…」
「べ、別荘に?!」
「はい…あの日別荘に戻ってから部屋で仕事をしていたんですが…何時間も部屋に閉じこもって仕事をしていたので、社長や千種さんがどうしていたかわからなかったし…何より私自身のアリバイがなかったから…つい…」申し訳なさそうに言う犬塚。
「なるほど…」黛が言う。「別に不自然な心理ではないですな」
「はぁ…すみません…」相変わらず汗を拭いながら言う犬塚に、千種は少し唇に笑みを含んだような表情を見せたのだった。

篁たちが犬塚と千種の事情聴取を終えた十数分後、麻倉と悠樹は校舎から出てきた。
「小さな分校の割には結構充実してるんっスね」
「そうですね…それ程不自由さは感じたことないですね」
「なんかちょっと悠樹君がうらやましくなっちゃったっスよ」
「え?」
「だって、こんな自然に囲まれた場所で暮らして、特に何に不自由するでもない普通の生活を送れるなんて、単純なようですごくいいことっスよ」麻倉は大きく深呼吸をして言う。「ここは空気も美味しいし、海も空も人の心も、全部綺麗だし」
「あ、ありがとうございます」なんか誉められた気がした悠樹はついそんなことを言った。

「それにしても、随分麻生さん待たせてしまいましたね」
「あっ、そう言えば…」二人は急いで校門に駆けつけた。が、そこに拓巳の姿はなかった。
「あれ…?拓巳さんどっか行っちゃったっスか?」
「そんなに遠くには行ってないとは思いますけど…探してみます?」
二人は拓巳を探しはじめた。

篁たちは、次に村役場で箭内の事情聴取をしに行った。
「え?箭内村長出かけてはるんですか?」矢吹が里律子に言う。
「ええ…ちょっと広島のほうで会議がありまして」
「そうですか…」ちょっとがっかりした様子の篁。「それじゃあ里律子さんに改めてアリバイ確認してもらいましょうよ」
「そうだな…」と黛。「あの日のあなたと村長のアリバイ、もう少し詳しく聞かせてもらいますか」
「…村長は人殺しなんてする人じゃないですよ」里律子は急に表情を変えて言う。「だって…」
「だって、何ですか?」
「…私、実は6年前に両親を事故で亡くしたんです。大学卒業しても就職先が決まらず、親が亡くなって頼るアテが失くなったときにこの島に伯父の墓参りでこの島に来て、たまたま箭内村長に出会ったんです。村長は私の親がこの島の出身であること、そして私が失業していることを聞くと、"それじゃあ私の元で働きなさい。丁度前の秘書が辞めてしまった所なんだよ"と言って、私を秘書として雇ってくれたんです。だから、村長は私にとって恩人なんです。そんな優しい村長が人殺しなんて出来るわけないでしょう?」
「それじゃあ…」篁が言う。「その村長の無実を証明するために、もう一度証言してください」
「…わかりました」里律子は一行を役場の一室に案内した。そして、黛が警察手帳と万年筆を取り出し用意が出来たことを確認してから言った。
「あの日、私が葛城さんのお店に晩御飯の食材を買いにいって帰ってきたのが7時ちょっと前でした。その時既に村長は役場にいて、私が帰ってくるのを待っていたようでした」
「で、晩御飯をあなたが作ったんですね」篁が聞く。
「ええ、村長は料理できないので…。で、晩御飯を食べ終えたのが8時前くらいでしたね。それから私が食事の後片付けをしました」
「晩御飯作る時や片付ける時、村長はちゃんといたさ?」と羊谷。
「いましたよ」ちょっと不機嫌になる里律子。「どちらの時も私が話し掛けたらちゃんと答えてくれましたし、時々振り返るとそこに確かに村長はいました」
「その後お仕事をなさったということですが」黛が尋ねる。
「ええ、二人で村長室で。どうしても明日までに仕上げなければならない仕事を村長も手伝ってくれたんです。時々二人で話をしたり、村長がコーヒーを淹れて来てくれたりして」
「確かその時うとうとしてしまったって言うてたけど、まさかそのコーヒーに睡眠薬でも入ってたなんてことは…?」と矢吹。
「もし入っていたとしても、目が醒めた9時50分頃には村長はいましたよ。自分の腕時計で時間を見たんだから間違いありません」里律子は左腕につけた腕時計を見せて言った。「それから12時頃に私が先に寝たんです」
「そうですか…」
「これで、村長の無実は証明されましたよね」里律子はそう言って立ち上がった。「さ、私は仕事がありますから」
篁たちは村役場を出て行った。

「拓巳さーん?どこっスかー?」麻倉と悠樹は拓巳を探して歩いていた。「悠樹君、この先って何があるんっスか?」
「この先は…診療所がありますけど」
「あ、じゃあもしかしたら!」麻倉は何かをひらめいたような顔で言った。「拓巳さん、急に具合が悪くなって診療所に行ってみたっスよ!診療所があることは悠樹君が言ってたし、今までの道に診療所がなかったんだからこの先にあることは拓巳さんは十分予想できるってわけっスよ!」
「なるほど、そうかもしれませんね」悠樹も納得する。「それじゃあ診療所に行ってみましょう」
二人は診療所に向かって歩き出した。

篁たちは葛城の店にやってきた。
「…何か、用ですか」冷めたような声で葛城が言う。隣には深穂もいた。
「いや、もう一度アリバイや動機の確認を…」
「アリバイも動機のこともとっくに話したでしょ?!」深穂が怒り気味に言う。
「え、いや、だから確認ですから…」
「厭だって言ってるでしょ?!」
「ええんや、深穂」深穂の昂(たか)ぶった感情を抑えるように葛城が言う。
「別にオレは殺ってないんやから、事情聴取だろうが何だろうがうけたるって」
「でも…」
「さ、ほな刑事さん…」そういうと葛城は一行を店の中に連れて行こうとしたその時。いきなり電話が鳴った。
「あっ、お母さん、わたしが出るから!」深穂はまだ店の中で寝ている母、鼎に向かって言ってから電話に向かっていった。しばらく相手と会話を交わすと、篁たちに言った。
「今悠樹君から電話があって、悠樹君の民宿のお客さんの拓巳って人が誰かに殴られたって…」
「なっ、何だって?!」

篁たちは急いで、悠樹が電話で言っていた診療所へ駆けつけた。そこには既に麻倉と悠樹がいた。
「マクラ、拓巳サンは大丈夫さ?!」
「みんな…」麻倉は篁たちが思ったより早く来たので驚いたが、それ以上に
安心したという気持ちもあった。
「麻生さんは後頭部を何かで殴られたようですね…どうやら軽い脳震盪(のうしんとう)を起こしているようです。まぁ、命に別状はないですけどね」診療所のベッドで横たわっている拓巳の傍らにいた今城医師が言った。
「でも、なんで拓巳さんが…?」
「そ、それが…」麻倉は事の次第を篁たちに伝えた。「そうやって探してるうちに、この診療所の前で拓巳さんが倒れてるのを見つけたっス…」
「なるほどな…」と篁。「でも、なんで拓巳さんが殴り倒されなきゃなんねぇんだ?彼は事件にそれ程深くは関わってねぇのに…」
「わかんないっス…」
「もしかしたら、拓巳サンは事件に関係する"何か"を見てしまって、それで犯人に殴り倒されてしまったんとちゃうやろか…?」と矢吹。
「だとしたら、一体拓巳さんはこんな所で何を見ちまったって言うんだ?今城サンは容疑者じゃないんだし…って、まさか…」と篁。
「え?」悠樹が訊く。
「よく考えてみろよ、あの夜、オレたちは悠樹君や珠代さんとは一緒にいたけど、今城サンは誰も見てないだろ?」
「今城さん、あなたは一昨日の夜10時ごろ、どこで何をしてましたか?」黛が尋ねる。
「まさか刑事さん、私を疑っているんじゃ…?」ちょっと笑いながら今城は言う。
「この島の住民のほとんど全員を疑ってますよ」と黛。「あなたはアリバイあるんですか?」
「アリバイはないですよ」今城は案外キッパリ言う。「そんな時間にアリバイがある人のほうが珍しいでしょう?私はこの診療所で書類の整理をしていましたよ」
「ホントっスか…?」
「ほ、本当だよ」疑わしいというような麻倉の表情に戸惑いながら、今城は言う。
「そうっスか…」ふと麻倉が机の上に目をやると、そこには"箭内 宗之"と書かれたカルテがあった。
「村長さんもここで診察してもらってるっスか?」
「ああ、そうだよ。箭内村長は心臓病の持病を患ってらっしゃるから」
「ふーん…」

その後、診療所には珠代に付き添われた鈴香が訪れ、今城と鈴香が拓巳の傍に居ることになった。
今城荘で夕食を摂ってから、篁達4人は再び最初の事件の現場となった幣原の別荘に行きたいと言い出し、結局新発田が付き添って行くことになった。
たまたま千種と犬塚は仕事で島の外に出かけていたため、別荘には人は居なかった。
「既に死体は広島県警が持っていってしもとるけど、それ以外はその儘(まま)にしとりますわ」新発田が説明しながら現場となった書斎に4人を招き入れた。
「そりゃそうやろ(^^;)何か変えられとったらヤバいやん」矢吹がツッコむ。
「あれ…」羊谷が何かに気づいたような表情で言う。「こんな所に鈴蘭(すずらん)なんかあったさ?」
「え?」一行は羊谷が指差した方を見た。確かにそこには、鈴蘭の花が咲いた鉢植えが横たわっていた。
「あぁ、この鈴蘭、幣原氏の会社の社員が、幣原夫妻の結婚15年目を祝って去年送ったものやって千種さんが言うてはりました」と新発田。「皆さんが来られた時は死体の陰になって見えなかったんとちゃいますか?」
「ふーん…」鈴蘭の花をじっくり見つめていた羊谷が言う。「ん?少し花の先っぽ潰れてるさ」
「え?潰れてる?」篁も鈴蘭を間近で見てみる。鈴蘭の花の先端が一部潰れて花粉が溢れていた。
「待てよ…だとしたら犯人は…」篁は新発田に何かを耳打ちした。「…を調べて貰えませんか?」
「ああ、ええけど…でも何で?」
「いいからいいから、早く調べて来て下さい」篁は新発田を追い出すように外へ出した。
「まさか篁君、犯人わかったんか?」矢吹が訊く。
「いや、まだはっきりとはわかってねぇけど、新発田サンの報告が来れば一発で犯人がわかるはずだぜ」
と、その時。
「ちょっとぉ、烈馬いるんでしょ?」
「…へ?」玄関のほうから聞き覚えのある声が聞こえた。麻倉が廊下を見ると、玄関にはつかさと千尋、悠樹がいた。
「ちょ、何で千尋ここに…」と矢吹。
「烈馬がなかなか帰って来ないから心配になって、悠樹君に案内してもらって来たんじゃない。もう10時になるわよ」千尋が自分の腕時計を見ながら言う。
「え?もう10時やったっけ?」矢吹も自分の腕時計を見て言う。「まだ10時まで3分もあるやんか」
「ウソ?!私の時計はもう9時59分指してるわよ?」
「千尋の時計の時間ズレてるんじゃない?あたしの時計は57分だから」とつかさ。
「そうなの?じゃあ後で時計直しとかなきゃ…」
その会話を聞いていた篁は何かに閃いたように言った。
「そうか…その手があったのか」
「え?」他の5人は訳がわからず篁を見た。
「犯人が仕組んだ"トリック"、わかったぜ」

一行は篁の推理を聞いて納得した。
「なるほど…そうすれば疑われなくて済むってわけね」と千尋。
「それじゃあの人は犯人じゃなかったっスかぁ」
「え?」麻倉の言葉に聞き返す篁。
「いや、僕はてっきりあの人が犯人だと思ってたっスけど…」麻倉も自らの推理を説明する。
「…だからか」
「え?どういうことさ?篁…」
「あの人が犯人だとしたらどうして拓巳さんをって思ってたんだけど、そういうことなら辻褄(つじつま)があう」
「勿体ぶらずに教えてよ(^^;)」つかさが言う。
「だからな…」篁はさらに推理を広げる。「…ってことだよ」
「そうか…せやから拓巳さんはあそこで倒れてたんやな」と矢吹。
「でも証拠は?」千尋が聞く。
「それなら新発田さんが…」と言っている傍から新発田がやって来た。
「篁君、例のアレ…」新発田の報告を聞き、一同は納得した。
「じゃあ間違いないっスね」
「ああ…犯人はあの人に間違いねぇな」


最初に戻る前を読む続きを読む

inserted by FC2 system