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つきのうた

舞台裏

それでは、「つきのうた」の細かい舞台設定。できるだけ留意はしていますが、すこしネタバレ的な書き方になっているものもあるかもしれません。あらかじめご了承ください。特に初期(1〜27巻時代)の「金田一少年の事件簿」を読んでいない方はお気をつけて。「かぜのうた」同様、FINAL FANTASYシリーズはFFと略記させていただきます。作者名敬称略深謝。
第1幕…あ、「STORY OF MOONLIGHT」は完全に深駆が独創したゲームです。一応深駆がした事のあるRPGには、物語中に出てきたモンスター(具体的にはクレセントナイト・ダークマスター・ディザスティ・セーブルソード・マッドウルフ)はいない…ハズ。自信はないけど。ちなみに深駆の中のイメージではクレセントナイトはクロノトリガーの亡霊サイラス、ダークマスターはキングダムハーツ2のブラックソーン、ディザスティはFF12のアリオク、セーブルソードは聖剣伝説シリーズのイビルソード、マッドウルフはドラゴンクエストシリーズのデスジャッカルがモデル。あ、もちろんブレイブノートはFF12のハントカタログの影響を受けていますよ。次に「コーヒーに不純物を混ぜることは、コーヒーを冒涜する行為」は、森博嗣の「冷たい密室と博士たち」からの引用。それから「悪霊館」は、二階堂黎人の「悪霊の館」の舞台です。J・D・カーはいいですよね?彼の文章はオカルト色が強いの。それから…「悪魔のラビリンス」は(というか、二階堂黎人の作品は)描写がとっても怖いのでご注意を…。カリバニズムに関しては、法月綸太郎「カリバニズム小論」に詳しい記述があります。あ、ほとんどの読者の方は知らないと思いますが、神崎龍牙はT湾に浮かぶ孤島、惨蒼島(さんそうとう)の生まれです。もちろん、この島はフィクションです。詳しいことは拙作「Blue Deep-Sea Forever」に書いてありましたが、色々な意味でヒドい作品なので今は封印中。あ、そちらには書いていましたが、実はこのT湾は「富山県富山湾」なの。ついでにK県は深駆の中では神奈川県。ま、このあたりはパラレルに読み取ってください。「興味ないね」といって肩をすくめるのは、FF7の主人公、クラウドがよくするポーズです。あ、最後に潮の満ち引きは、ネットで深駆が念頭に置いている県(つまり神奈川県ですね)のデータが見つからなかったので、何年か前の倉敷市のデータを使わせていただきました。潮の満ち引き、月の満ち欠け、現実と大分違うと思います。お許しください…。
第2幕…実は遥ちゃん、「かぜのうた」にも出てたの。聞き込みを終えた美寛が教室に戻ってきたときに、疾風の言葉を伝えるために詩織ちゃんと待っていた女の子で、「愛しい愛しいハヤ君にフラれたら、もう私、生きていけな〜い」って美寛の口真似をしていた女の子。前作では名字を書きませんでしたが、同一人物です。だから、美寛ちゃんの言う「借り」っていうのは、この時疾風の言葉を伝えてくれたことなの。「八つ墓村」は横溝正史の(というより金田一耕助の、と言った方がいいかな?)、「双頭の悪魔」は有栖川有栖の作品ですね。「ダルマスカの王女様」って言葉は、美寛の直前のセリフから来てるの。FF12のヒロイン、アーシェ・バナルガン・ダルマスカはダルマスカ王国の王女様。気位の高い女性で、一応の主人公(FF12で誰を主人公と見るかは人それぞれです)であるヴァンに「お前」呼ばわりされると、「お前はやめて」っていうの。ゲーム中にこのやり取りが4回あるのですが、ここからあのシーンはきてます。ちなみに、これ以外のシーンでは絶対、疾風は美寛のことを「お前」とは言ってません。「かぜのうた」でもそうなの。毛利小五郎はいいですよね?「名探偵コナン」に登場する探偵です。もう100回以上は事件に遭遇しているのでは…。「行く先々で不幸な事件を巻き起こす、あの呪われた名探偵」というセリフもかなり昔にあったような(苦笑)。北海道行きの寝台列車の中で起きる事件は…何巻でしたっけ?26〜35巻くらいの間にはあると思うけど…。
第3幕…見立て殺人については各作品を読んでください。中でも綾辻行人の「霧越邸殺人事件」と二階堂黎人の「奇跡島の不思議」は、何の見立てかにさえ触れられません。両方完成度の高い名作です。クリスティの「そして誰もいなくなった」とヴァン・ダインの「僧正殺人事件」はともにマザーグース(平たく言えばイギリスの童謡)に見立てています。「九尾の猫」はクイーンの作品でミッシングリンクもの。「ABC定理」は後にもでてくるけど、クリスティのABC殺人事件で使われたトリックのことで、「九尾の猫」でも取り上げられています。これらに対する批判は二階堂黎人「人狼城の恐怖 第三部探偵編」にあります。そしてこの作品でも、少しミッシングリンクが扱われるの。…もっとも世界最長の本格推理小説だけあって、それ以上に壮大なトリックのオンパレードですが。同じく二階堂黎人の「魔術王事件」では「部屋の消滅」が、クイーンの「神の灯」では「家屋消失」が描かれています。それから…ナイト・プローラーは有栖川有栖の「絶叫城殺人事件」に登場する連続殺人犯。ゲームを模した殺人、という意味では共通です。
第4幕…西之園萌絵は森博嗣のS&Mシリーズなどの登場人物。4桁同士の掛け算が暗算で出来るほど、理数に強い人物です。一方「魂胆」や「完璧」が漢字で書けない等、国語は苦手の様子。「ABCキラー」は、引用文にもあるとおり有栖川有栖の作品。オムニバスとして「『ABC』殺人事件」という文庫本(講談社文庫)も出ています。犯罪を芸術と言うのはルパン的であり怪盗キッド(名探偵コナンの登場人物)的でもありますが…。ま、ここはノリ。深く受け止めないでください(苦笑)。ちなみに怪盗キッドがいう「怪盗は犯罪を構成する芸術家だが、探偵はそれに難癖をつける批評家にすぎない」という趣旨のセリフの元ネタは、チェスタートンのブラウン神父ものの登場人物、フランボウのセリフから来ています(と深駆は思います…)。
第5幕…田川とピースは、ともに宮部みゆきの「模倣犯」の登場人物。美寛ちゃんが「あんまり使いたくない例」って言ってるのは、きっと「模倣犯」が美寛ちゃんの思う、本格派のミステリではないからでしょう…。それは裏を返すと、深駆の代弁?あぁ、本当にごめんなさい。言い訳めいているけど、「模倣犯」は考えながらも最後まで読ませていただきましたので…ご容赦ください。「ユウナは沖縄方言で月を表す」なんてことをどうして疾風が知っているかというと、もちろんゲームの影響です。ユウナはFF10およびFF10−2のヒロインの名前ですからね。ちなみに沖縄方言で太陽を「てぃだ」と言います。FF10の主人公、ティーダの名前の由来です。
幕間…さぁ、問題の箇所がやってきました(苦笑)。ちなみにまた、地の文に「深駆」のサインがあったの。この一文です。「自分でも分からない、体の一番『深』いところから自然に力が溢れてきて、私を『駆』け出させてくれる」ね?指輪のシーンは、BLUE DRAGONに同じようなシーンが無かったっけ?宣伝で見ただけだからはっきりとは覚えがないけど…。しかし、書いてる深駆から見てもこの2人はホントにノロケだなぁ…って。そりゃ優奈ちゃんも「バカップル」っていうよね…(苦笑)。でも深駆の指が意識せずに、そう書いてしまうんだからしょうがない。
第6幕…「戦災孤児の少女」は、FF12のパンネロの事。その直後に疾風が引用するセリフは、大灯台・上層で天陽の繭を目前に控えた地点でのヴァンたちの会話からの引用です。「黒死蝶」は「金田一少年の事件簿」から。ああ、完璧ネタバレだ。ごめんなさい。
第7幕…疾風がする事件の話は、名探偵コナンの第8巻に収録されています。最後の方で疾風が言う「そういう話なら、パスだ」も実は引用。これは、ドール実地試験時におけるサイファーとの会話からの引用なの。
カーテンコール…深駆が途中で話している「某マンガ」は「金田一少年の事件簿」の「金田一少年の殺人」の事です。その直後の「某作品」は…一応伏せましょうか。メフィスト賞受賞作家のミッシングリンクものを読んでいればそのうち出てきます。


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